救急指定病院について

救命救急センターは、3次救急を担う救急指定病院です。一口に救急指定病院といっても、全ての病院がその名を冠することはできません。救急指定病院とは、一定の要件を満たしかつ、各都道府県の知事が告示した病院のことです。病気や事故などにより、心肺停止状態になってしまった患者の受け入れを行うためにも、こうした救急指定病院の存在は重要です。救急指定病院と指定されるための要件は4つあります。1つ目は、救急医療に関する知識や経験を持っている医師が常に診療に当たることができる環境にあることです。2つ目は、心電計や輸血などの設備、そしてエックス線装置などの救急医療を実行するために必要とされる設備や施設が病院内にきちんと備わっていることが求められます。

3つ目は、救急隊が搬送する患者の受け入れがスムーズに行えるような立地であり、患者の搬入に適した建物の構造をしている必要があります。そして4つ目は、救急医療を必要としている患者のために、専用の病床や優先的に受け入れることができる病床の確保などが可能な施設であることです。救急指定病院に運ばれてくる患者は、とにかく一刻を争う状態の患者ばかりであるため、速やかに対応し、かつ、的確な医療を提供できる医療機関だけがその指定を受けられるということがよくわかります。特に、救命救急センターは最も重篤な患者の受け入れを行うため、あらゆる救急指定病院の中でもこれらの体制の確保はシビアに必要となるといえるでしょう。